海外旅行に携行するカメラとレンズについて
前回の考察
前回は海外旅行の際に持って行く機材(カメラとレンズ)について検証しました。
できるだけ少ない(軽い)荷物となるよう、かつ幅広い撮影をカバーするためにはどんなレンズがよいかということについて悩み、考察しています。
結論
今回は実際に持って行った機材についてのレビューとなりますが、まずは結論から。
レンズは次の2本が正解でした。
詳細は後述しますが、大まかには次の理由から。
今回選択したカメラとレンズ
カメラ
これは予定通りデジタル一眼レフの「PENTAX K-5IIs」と、フィルム一眼レフ「PENTAX MX」の2台体制としました。
デジタル一眼レフについては、どうせなら手持ちのカメラで一番のスペックを持つ「PENTAX K-1」を持って行くという選択肢もありましたが、サイズ(重量)と、紛失・盗難・故障のリスクを考慮して今回は見送りとなりました。
レンズ
最後まで悩んだレンズは、前回の候補のどれでもない組み合わせです。
はい、結局絞り切れずに4本持って行ってしまいました。
決定までのアプローチ
DA21mmとFA31mmは早々に決定しました。
3本目はFA50mmとDA55mmで迷いましたが、新しいレンズを使いたいという気持ちと、防塵防滴が役に立つケースがあるかもしれないという理由からDA55mmに決定しました(前回のエントリーの2番目の組み合わせです)。
しかしながら、この組み合わせの場合、フィルムカメラで使えるのがFA31mmの1本のみになってしまうという点がどうしても気になってしまいました。
そして、どうしようかとさんざん悩んだ末、HELIOSも持って行くという結論に至った訳です。
結局のところ、持ってくれば良かったという後悔をしたくないというチキンな気持ちから、”「迷ったらとりあえず持っていく」というのは無し”という前提を守ることができませんでした・・・。
旅行中の撮影について
今回は、台北(台湾)経由でバンコクに入り、サムイ島へ移動しました。帰りも全く同じルートです。往路のみ台北で約17時間の滞在時間があったので、台北市内へ出て観光もしています。
荷物は、機内持ち込み可能なサイズのスーツケース( ※三辺合計が115cm以内 )と、普段使いのバックパック(グレゴリーのデイパック: 26L)です。カメラ用バッグは特に用いず、移動時はカメラの機材は全てバックパックに入れて運びます。
なので、かなり重たいです。
参考
カメラ(ボディ)について
基本的に「K-5IIs」を持ち歩いていました。フィルムカメラについては荷物に余裕がある時や、撮ることがメインの外出時のみ持ち出すという感じです。枚数については40枚程度しか撮っていません。
枚数を考えると、フィルムカメラは無くてもいいのかもしれませんが、フィルムでしか撮れない写真があることと、旅とアナログの組み合わせがなんとなく好きという理由で、荷物にはなるけどどうしても持って行きたいという気持ちになります。幸い、レンズは同じKマウントであるデジタルと共用できるので、レンズを追加で持って行く負担はありません。
レンズ
それぞれのレンズでの撮影枚数、実際に撮影した写真をまとめました。
撮影枚数
「FA31mmF1.8」がもっとも多くなっていますが、これは予想通りでした。
“レンズ不明”となっているのは「HELIOS」です。
元々使い慣れたレンズであり、35mm換算で約47mm(49°)の画角は、風景から人物まで幅広く撮影することが可能です。また、30cmという最短撮影距離は(かなり寄ることもできるため)テーブルフォトにも申し分ありません。基本的に付けっぱなしとなり、その結果撮影枚数も多くなりました。
「DA 21mmF3.2」は、建物全景を収めたい時、屋内で広い範囲を写したい場合など、「FA31mmF1.8」ではどうしても収まらない場合に役立ちました。
「DA★55mmF1.4」と「HELIOS 58mmF2」については、実質的に出番はありませんでした。枚数はそれなりに撮っていますが、せっかく持ってきたからという理由であえて使ったという結果です。
「DA★55mmF1.4」は雨の撮影やビーチでの使用において防塵防滴の安心感を得ようと思ったのですが、海や空を写すには55mmはちょっと狭くて、結局「FA31mmF1.8」を使うことになってしまいました。
「HELIOS」については、今回の旅は思った以上にアクティブになり、頻繁にいろんな場所へ行ったり遊んだりしていたため、アダプターを付け替えるということが面倒だったこと、ビーチ周辺での撮影は日差しが強く、使いこなすのが難しかったことも理由かと思います。
写真
smc PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited
屋内での使用
このレンズが一番役に立った場所です。塔の全景、屋内の撮影では21mmでも少し足りないくらいでした。CHECK
風景を広く写したいケース
海や空などの風景の場合も活躍しましたが、こちらについては31mmでも撮れなくはないといった感じです。smc PENTAX FA31mmF1.8AL Limited
風景、人物、テーブルフォト、スナップまで、なんでも撮りやすく、基本的にこのレンズを付けっぱなしになっていました。
テーブルフォト
風景
ビーチではやはり水と砂、塩分が気になりましたが、使う時以外はバッグの中に入れるなど、できる限りのケアを行っています。
smc PENTAX-DA★55mmF1.4 SDM
このレンズでないと撮れないという被写体は特になかったのですが、買ったばかりのレンズということで、とりあえずいろいろと撮ってきました。
多くレビューなどで評価されている通り、非常にシャープな描写で、おそらく所有レンズの中では最も解像感が高いのではないかと思われます。ちなみに、SDM(超音波モーター)搭載のレンズは初めてです。AFは確かに静かで滑らかなのですが、合掌付近でコトコト振動がくるのがちょっと気になります。こんなものなのでしょうか。
HELIOS 44-2 58mm F2
今回は特に必要性を感じることはなく、残念ながら無くても良かったレンズでした。
カオサンロードの屋台。この雰囲気がたまらなく好きです。なくてもよかったとは言いつつ、この写真はかなりお気に入り。 私の場合、旅行先では(オールドレンズの味わいを活かしての)作品寄りのポートレートを撮影するということはなく、風景やスナップがメインであることが理由かと思います。また、フィルムカメラでの使用も検討していましたが、「FA31mmF1.8」1本で問題ありませんでした。
まとめ
出発前はいろいろと悩みましたが、今回は「DA21mmF3.2」「FA31mmF1.8」の2本で十分だったという結果になりました。
結局、あれもこれも撮りたいと思って沢山のレンズを持って行ったとしても、実際に持って出かけるレンズは2本程度となり、広角レンズと標準レンズの組み合わせが一番バランスが良いのではないかという結論に至りました。
ちなみに、改善点としては「DA21mmF3.2」と「FA31mmF1.8」の焦点距離の差があまりないことが挙げられます。「DA21mmF3.2」を超広角レンズに置き換えることで、より撮影の幅が広がるのではないかと思います。
個人的には大きくて重たいレンズあまり好きではない為、広角レンズとしてはかなり小型軽量な「HD PENTAX-DA15mmF4ED AL Limited」が気になってきました。
よって、使用頻度の低い「smc PENTAX-DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5ED」と「smc PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited」を売却し、「HD PENTAX-DA15mmF4ED AL Limited」を入手することで、海外旅行に最適なPENTAXのレンズにより近づくことが出来るのではないかと思います。
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