超広角レンズが欲しい
元々、広角よりも標準・中望遠レンズを好んで背景をボカした写真をよく撮っていましたが、最近広角も良いなと思うようになってきました。
超広角レンズを持っていない為、こういった写真を撮る際は、魚眼レンズ(DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5ED)を使用しています。
これはこれでいいのですが、やはり魚眼レンズでの描写は飛び道具的な面もあり、しっかりと直線でパースを効かせた写真も撮ってみたいと思うわけです。
魚眼レンズと広角レンズの違いについては、こちらの記事にわかりやすく説明されています。
参考 魚眼レンズと広角レンズの違い | focus-position.com
超広角レンズに求めること
要件
現在所有する広角域のレンズは次の2本
そして、新しいレンズに求める要件は次の通りです。
要件
- 超広角(21mmよりもワイド)
- できるだけコンパクト
- できれば単焦点レンズ
できるだけ小さく、明るく、そして画角が広く、できればフルサイズ対応で、価格も安ければ嬉しいといったところですが、当然ながら全てを満たすものは存在しません。
よって画角・明るさ・サイズのバランスをどうするか、フルサイズ対応かどうかなどについて、優先するポイントと妥協するポイントを決めなければいけません。
PENTAX(Kマウント)の超広角レンズ
まずはどんなレンズがあるか洗い出してみます。
レンズ名 | 参考価格 | 重量 | 画角 (35mm) |
画角 (APS-C) |
フィルター径 [mm] |
最短撮影 距離[m] |
絞り羽根 枚数 |
フォーカス | フルサイズ 対応 |
公式 | 価格com | amazon | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
smc PENTAX-DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5ED | 36,000 | 320g | – | 180 – 100° | – | 0.14m | 6枚 | AF/MF | – | RICOH | 価格com | amazon | |
smc PENTAX-DA 12-24mmF4 ED AL[IF] | 61,500 | 430g | – | 99°-61° | 77mm | 0.3m | 8枚 | AF/MF | – | RICOH | 価格com | amazon | |
HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW NEW | 180,900 | 704g | – | 104°-76° | 82mm | 0.3m | 9枚 | AF/MF | – | RICOH | 価格com | 防塵防滴 | |
smc PENTAX-DA 14mm F2.8ED[IF] | 62,500 | 420g | – | 90° | 77mm | 0.17m | 6枚 | AF/MF | – | RICOH | 価格com | amazon | |
HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR | 166,000 | 1040g | 111 – 72° | 87 – 51° | – | 0.28m | 9枚 | AF/MF | 〇 | RICOH | 価格com | amazon | |
smc PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited【旧型】 | – | 212g | – | 86° | 49mm | 0.18m | 7枚 | AF/MF | – | RICOH | 価格com | 販売終了 | |
HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited | 46,000 | 189g | – | 86° | 49mm | 0.18m | 7枚 | AF/MF | – | RICOH | 価格com | amazon | |
smc PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited【旧型】 | – | 140g | – | 68° | 49mm | 0.2m | 7枚 | AF/MF | – | RICOH | 価格com | 販売終了 | |
HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited | 40,000 | 134g | – | 68° | 49mm | 0.2m | 7枚 | AF/MF | – | RICOH | 価格com | amazon | |
SMC PENTAX FA★ 24mm F2 AL[IF] | – | 405g | 84° | 61° | 67mm | 0.3m | 8枚 | AF/MF | 〇 | – | 価格com | 販売終了 | |
SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | – | 555g | – | 121.2 – 83.2° | – | 0.24m | 7枚 | AF/MF | – | SIGMA | 価格com | amazon | 販売終了、フィルター取り付け不可 |
SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSM | 40,000 | 520g | – | 109.7 – 70.7° | 82mm | 0.24m | 7枚 | AF/MF | – | SIGMA | 価格com | amazon | |
SAMYANG 14mm F2.8 IF ED UMC | 39,000 | 530g | 114° | 91° | – | 0.28m | 6枚 | MF | 〇 | SAMYANG | 価格com | amazon | フィルター取り付け不可 |
LAOWA 超広角レンズ 15mm F4 | 73,500 | 410g | 110° | 85° | 77mm | 0.12m | 14枚 | MF | 〇 | – | 価格com | amazon | |
LAOWA 交換レンズ 12mm f/2.8 ZERO-D | 133,500 | 609g | 122° | 99° | – | 0.18m | 7枚 | MF | 〇 | – | 価格com | amazon |
追記: 【D PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW 発売決定!!
当記事を公開してまもなく、ずっと噂されていた広角レンズが発表されました。
HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW
ズーム全域でF2.8の明るさを実現した大口径超広角高性能★(スター)レンズ
風景撮影や星景撮影などでの使いやすさを追求したレンズです。
販売日:2019年2月22日
販売価格:¥180,900(税込)
smc PENTAX-DA 12-24mmF4 ED AL[IF]の全ての要素がスケールアップされたようなレンズで、より明るく、広く、防塵防滴を備えているといった感じです。
その分、サイズも704gとボリュームアップしているのは、仕方のないところではありますが…。
このサイズ・重量、価格を許容するのであれば、(特にK-1を所有するユーザーの場合)HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WRを選んだ方が幸せになれそうな気がしますが、フィルター装着できるといった点ではsmc PENTAX-DA 12-24mmF4 ED AL[IF]が優位ですね。
ということは、550g前後のSAMYANGやSIGMAと比較すれば、プラス150g程度で全ての要素に満足できる素晴らしいレンズであるとも言えます(価格はさておき)。
Kマウントの超広角レンズ選びはますます難しくなってしまいました。
決められない…
候補を絞る
上記の中から、要件に合いそうなレンズを選んで、さらに比較・検証します。
HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited
なんといっても189gというサイズが最大の魅力であるレンズです。他のレンズは全て400gオーバーとなっていることから、旅行メインであればこれ一択となるような気がします。
また、単焦点レンズということで、ズームレンズと比べて描写性能において優位であると考えられます。
ただ、15mmという焦点距離(画角:86°)が若干中途半端というか、まさに超広角レンズといった圧倒的な画角ではないといった点が気になります。また、星景を撮るには明るさが足りないと言えます。
smc PENTAX-DA 12-24mmF4 ED AL[IF]
PENTAXのAPS-C機における、超広角レンズの定番・王道ともいえる存在のレンズ。
非常にバランスが良く、12mmの超広角域から24mmでの標準域に近い広角までカバーしています。旅行時はこれ一本でほとんどの撮影に対応することができそうな感じもありますね。
純正の安心感を取るならこちらですが、より広い画角とお手頃な価格を求めるなら、後述のSIGMA 8-16mm、SIGMA 10-20mmが対抗馬といったところです。
SAMYANG 14mm F2.8 IF ED UMC
こちらのメリットとしてはフルサイズ対応であることとF2.8の明るさです。よって星景用のレンズとしての評価が高いようです。また、非常にお手頃な価格もメリットの一つと言えるでしょう。
デメリットはマニュアルフォーカスであること、出目金レンズであるためフィルターを装着できない、でかい(重い:530g)といったところです。
しかしながら、お手頃な価格、K-1での使用で114°の画角を得られること、星景も対応できるというのは魅力的です。
レンズ沼に効率よくハマるために。焦点距離と画角をまとめて一覧で確認する。
SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSM
PENTAX-DA 12-24mmF4よりも広い画角に対応していること、少し明るい(F3.5)こと、そして価格もお手頃であるといったところが優位な点です。
デメリットはマニュアルフォーカスであること、でかい(重い:520g)といったところ。
SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
こちらはPENTAX版が販売終了になっていて残念なのですが、8mmという画角が全てかと思います。ただ、画角の広さを最優先する場合以外はSIGMA 10-20mmの方がいいかもしれません。
というのは、画角の差(2mm)を除いて重量、明るさ、フィルター装着可能といった、多くの点でSIGMA 10-20mmが優れているからです。
その他
なお、HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WRについては、フルサイズ対応でPENTAXの超広角レンズとしての真打ちともいえる存在です。当然そのスペックには非の打ち所がなく、描写についても非常に高い評価が得られていますが、1kg越えのサイズはさすがに使い勝手という点で私には合いそうにありません。
比較
レンズ名 | 画角 | 明るさ | サイズ (重量) |
参考価格 | AF/MF フィルター フルサイズ対応 |
---|---|---|---|---|---|
DA 15mm F4 | 86°【APS-C】 | F4 | 189g | 46,000 | AF/MF【フィルター 〇】 |
DA 12-24mm F4 | 99°-61°【APS-C】 | F4 | 430g | 61,500 | AF/MF【フィルター 〇】 |
SAMYANG 14mm F2.8 | 114°【35mm】 | F2.8 | 530g | 39,000 | MF【フィルター×】 【フルサイズ対応】 |
SIGMA 10-20mm F3.5 | 109.7 – 70.7°【APS-C】 | F3.5 | 520g | 40,000 | AF/MF【フィルター 〇】 |
SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 | 121.2 – 83.2°【APS-C】 | F4.5-5.6 | 555g | – | AF/MF【フィルター×】 |
まとめ
結局のところ、これで決まりという1本は見つかっていない状況です。どうしてもあちらを立てればこちらが立たずといった感じで、どうしても決め切ることができません。一番優先したかったサイズですが、妥協すべきはサイズであるような気もしていますかなという気はしていますが…。【サイズ】を優先
HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited
旅行をメインに考えるのであればHD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limitedで決まりです。超広角としては少々画角が物足りないという部分をどう考えるか。
【画角】を優先
SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
焦点距離8mmによる圧倒的な画角(121°)が最大のポイントであり魅力です。超広角レンズとしての描写を楽しむには最適ですが、妥協点はそのサイズとフィルター不可、そして販売終了となっている点。
【明るさ】を優先
SAMYANG 14mm F2.8 IF ED UMC
候補レンズの中では最も明るいため星景撮影にも対応しやすく、またフルサイズ機での使用によって得られる114°という画角も魅力です。
妥協点はマニュアルフォーカス、サイズ、フィルター不可。
本当は
こんなレンズがあれば非常に嬉しいです。
↓
富士フィルム Xシリーズ(とSamyang12mmF2.0)が気になって仕方がない
PENTAX(Kマウント)版出してくれないかなぁ…
結局のところ
所有しているレンズsmc PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limitedのバランスの良さを再確認したような気がします。
写ルンですと同じ画角(35mm換算32mm)であるということは、すなわちそれが日常のスナップや旅行においては最適な画角ということになるのかもしれません。
というわけで、結局振り出しに戻ってしまったような気もしますが、現時点の気持ちとしてはSAMYANG 14mmF2.8が40%、DA15mmF4が30%、そして『FUJIFILM X-E3 & Samyang12mmF2.0』が30%といったところです。
レンズ選びって本当に難しいですが、考えている時間は楽しいです。
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