初めてのオールドレンズに最適?
ヘリオスと呼ばれるこのレンズ。オールドレンズの中ではかなり有名なレンズの一つではないでしょうか。
人気の理由は、特徴的なぐるぐるボケ、簡単に発生するフレアやゴースト、これぞオールドレンズの味といった描写が挙げられますが、なんといっても安いということも大きいと思います。
そして、数も多く出回っている為、入手し易いというメリットもありますね。
それ故、最初のオールドレンズとしてこのHeliosもしくはTakumarのどちらかを選ぶ方が多いのではないかと思います。
ちなみに私は、Takumar → Heliosの順でした。
私のカメラ遍歴【PENTAX編】K-x、K-5IIs、フルサイズ機K-1まで
HELIOS 44-2 58mm F2 ってどんなレンズ?
ぐるぐるボケ
他のレンズにはあまりみられないぐるぐるボケがこのレンズのもっとも大きな個性ではないでしょうか。 日の丸構図で被写体を目立たせる様な効果を演出してみたり。 少々うるさすぎるくらいのボケですが、クセになってしまう楽しさ、魅力があります。ゴースト・フレア
ゴーストやフレアとは逆光により発生しやすい現象の一つであり、写真をキレイにハッキリと写す為には好ましくないとされます。
よってレンズの性能が良い程、これらの現象が発生しにくく、その逆も然りです。つまり、レンズの性能があまりよくない古いレンズ程、ゴーストやフレアが出やすいということになります。
ヘリオスも同様で、太陽などの光源をフレーム内に入れると、ゴーストやフレアが盛大に発生します。
コントラストが低下し、白くぼやけたようになるのがフレア。ふんわりと優しい雰囲気を出すことができます。 虹色の輪っかのように見えるのがゴースト。太陽光をフレームに入れることで出やすくなります。M42マウント
このレンズはM42と言われる規格のマウントで、プラクチカスクリューマウントとも言われます。
内径42mm、ピッチ1mm、フランジバック(1948年当時45.7mm、現在は45.46mm。)
JISやDINに規格化されたこともあり、交流には大きな壁があった当時の共産圏に留まらず世界の大小問わず多くのメーカーに採用され一時は事実上の統一規格であった。
代表的な製品は日本のカメラメーカーである旭光学工業(ペンタックス)より発売されたアサヒペンタックスシリーズである。
出典: wikipedia
ペンタックスはKマウント以前はこのマウントでした。フィルムカメラのアサヒペンタックスSPなどがこのマウントです。
必要なもの
レンズ
中古カメラショップ、ヤフオクなど様々な方法で入手可能です。数も多く出回っており、探すのは容易ですが、しっかりと状態を確認した上で購入する必要があります。
カメラ
そのまま使用するには、M42マウントのカメラが必要です。それ以外のマウントの場合は、フランジバックがM42規格より短いカメラであれば、後述のマウントアダプターを使うことで装着が可能となります。
なお、ミラーレスはほとんどのカメラが使用可能だと考えて問題ありません(フランジバックが一眼レフに比べてかなり短くなっているため)。
マウントアダプター
前述のM42マウントのレンズを装着するために、アダプターが必要となりますが、多くのマウントでアダプターが用意されています。
ペンタックス(Kマウント)の場合
PENTAX純正のマウントアダプターは少々値段が高いため、安価なものを試してきましたが、最終的に純正に落ち着いています。
純正アダプター
後述のアダプターと異なり、専用の道具などを使う必要がなく、自分の指(爪)でひっかけて簡単に外すことが可能です。ただ、この部品で4000円弱というのは少々高いという印象がありますね。
装着するとこのようになります。
その他
安価で今でも使えますが、アダプターを外すときに専用の道具を使う必要があり、少々手間なのと、操作を誤った時にマウントをガリっと擦ってしまうという不安が伴います。ずっと付けっぱなしにするような使い方であれば全く問題はありません。
こちらは無限遠が出ないというデメリットはありますが、通常のスナップなどであれば問題はありません。レンズ側に付けっぱなしにすると、Kマウントレンズと同じようにレンズ交換が出来て非常に便利だったのですが、ある時からマウントから外れ難くなってしまったため、今では使用していません。
その他のマウント
また、その他のマウントについても数多くのアダプターが販売されています。
使い方・撮り方
ピントはマニュアルで
マニュアルレンズなので、オートフォーカスは使用できません。ピントリングを回して自分でピントを合わせる必要があります。
ミラーレス一眼などは、フォーカスピーキング等のアシスト機能があったりするので、それらを活用すると楽にピント合わせすることが可能です。
絞り・撮影モード
撮影モードはマニュアル、もしくは絞り優先(Av)モードを使うといいかと思います。絞りはレンズ側の絞りリングを自分で回して変更します。
グルグルボケを出すには
Heliosを使用しても、ただ漠然と撮るだけではぐるぐるボケは出ません。例えば、普通に遠景を撮影すると、このようになります。
全くぐるぐるしてませんね。それでは、具体的にどのようにすればぐるぐるボケを出すことができるでしょうか。露出、被写体、構図、ピント位置を選ぶ必要があります。
ぐるぐるボケを出すには
- 絞りは開放付近
- メインの被写体を近く
- 背景に細かい明暗差(点光源による玉ボケ)などがある背景を選ぶ
まずはこちらの例から。
上部の草花がぐるぐるボケとなっています。ポイントは絞り開放であること、メインの被写体(ピント位置)と背景との距離の差。これらは、まず背景をボカすための条件となります。
次に、背景の草花です。細かい花や葉の輪郭(明暗差)があることによってぐるぐるボケが出ています。
手っ取り早いのは、木漏れ日によってキラキラ輝く木々を背景にすることです。 木の葉に光が当たってそれぞれが玉ボケとなっています。 この写真の場合、左下は地面に落ちた花びらです。地面にもぐるぐるボケる要素がいろいろとあるので、様々なアングルを試してみると良いかと思います。 こちらも地面。砂利や落ち葉などもぐるぐるしやすいです。その他作例
ついついぐるぐるボケにこだわってしまいがちですが、明るい単焦点レンズなので、スナップからポートレートまで様々な被写体にも活用できます。 「ノルウェイの森」で有名な砥峰高原。周辺が流れることで、幻想的な雰囲気を演出することができる様な気がします。 APS-Cのカメラ(K-5iis)ではあまり気になりませんでしたが、フルサイズのカメラ(K-1)ではそれなりに周辺減光があるのがわかります。元々現像時にあえてビネット効果(周辺減光)を出すことも多いので、特にデメリットと感じることはありません。レンズの個性を味わいつつ、RAW現像の手間が一つ省けて良いかと思います。終わりに
以上、オールドレンズHelios(ヘリオス)を紹介しました。
定番で人気のオールドレンズだけあって持っていて損はない1本だと思います。ぐるぐるボケ、とっても楽しいですよ♪
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