カメラの上達に必要なもの
「明るい」単焦点レンズを使うことのメリットとして、「カメラが上達する」ということをお伝えしました。
前回から何度か出てきている「F値」は撮影において非常に重要な要素です。
「F値」を理解してコントロールすることがカメラ上達の第一歩であるといっても過言ではありません。
撮影時に「F値」を任意に変更することで、どれくらいの範囲にピントを合わせるかということをコントロールすることができます。これができるようになると写真の奥行の表現が可能となり、写真の幅が拡がります。
また、カメラの上達に欠かせない「露出」を理解する上でも、必須の要素となります。
レンズが撮り方を教えてくれる
なぜ「明るい」単焦点レンズを使うべきか。
その理由は次の通りです。
F値のコントロールを撮影を通じて自然と覚えることができる。
明るいレンズはF値の最小値が小さいため、F値の変化量が大きくなります。そのため、F値を変えた結果の変化が大きくてわかりやすく、F値をコントロールすることの意味と結果を学ぶことができます。
また、小さいF値で撮影した場合、適当に撮影するとピンボケ写真を量産してしまいます。このことにより、しっかりとしたピント合わせが必要となるため、自分が意図した場所にピントを合わせるという基本を身に着けることができるようになります。
構図を意識し工夫する癖が身につくようになる。
単焦点レンズは焦点距離を変えること(ズーム)ができません。よって、自分自身が前後に動かなければ被写体の大きさを変えることができません。
これを経験することで、足を使って構図を決めるクセがつきます。前後だけでなく左右・上下と視点を変えることで写真は大きく変わる為、こういったアプローチをとるようになると構図のバリエーションが増えるようになります。
キットレンズの場合
キットレンズの場合は、どうでしょうか。
F値のコントロール
次の理由から「F値」の操作を直感的に覚えることが難しいと言えます。
- F値が大きい(F3.5以上が多い)
- ズームリングを回すことによってF値が自動的に変わってしまう
まず、最小F値が大きいため、小さいF値(F2.0以下)の写りを知る(経験する)ことができません。また、構図に集中してズーム機能を使うことで、大事な「F値」が意識外となってしまい、「F値」の操作を覚えることが難しくなります。
構図
構図を決めるアプローチとしてズームリングを回すことに慣れてしまうと、最初に立った位置から動かずに構図を変える癖がついてしまい、写真の表現の幅が狭くなってしまいます。
まとめ
以上の事から、「明るい」単焦点レンズを使うと「習うより慣れろ」が成り立ち、ズームレンズではこれが難しくなると言えます。「明るい」単焦点レンズは、「簡単に」「楽しく」使っているうちに自然と写真の知識や技術を身に付けることができる、よき相棒となってくれるのです。
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また、一つの単焦点レンズのみの撮影を繰り返すことで、「このレンズ(焦点距離)ではどれくらいの範囲が写る」という『画角』の感覚が身についてくるというメリットもあります。
例えば、標準レンズの50mmでの写る範囲、広角レンズの28mm、中望遠の100mmのレンズとそれぞのれ焦点距離と写る範囲(画角)は全く異なります。
それらの違いを間隔として意識できるようになることで、撮影のプロセスがスムーズになり、写真表現の幅も一段と上がることでしょう。
写真というのは、上下左右の平面で2次元、奥行きを含めた立体で3次元、そしてシャッタースピードによる時間の要素を含めると4次元の要素が含まれる作品となります。
さらに明るさや色の変化も入ると・・・それこそ表現の幅は無限です。
このように考えると非常に難しいことのように感じてしまいますが、だからこそ奥が深く、そして楽しくもあるのだと思います。
それらを一つ一つ身に付けるための近道であり楽しさも経験することができる「明るい」単焦点レンズ。
しつこいようですが是非お勧めしたいと思います。
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