「学問に王道(近道)なし」
There is no royal road to learning.
何事も地道にコツコツと積み重ねることが大事です。
しかしながら、効率よく物事を覚えたり身に着けたりするためのコツや方法というものも必ず存在すると思います。
一番良いのは、その道に通じた熟練者に習うこと。
ということでfotolierのカメラ教室に通いましょう。
というのはさておき。
専門の学校やカメラ教室に通うことも近道の一つではありますが、独学で試行錯誤しながら学ぶという過程もカメラの魅力であり楽しみであると思います。
ということで、今回はカメラ上達の方法について、私なりに思うことを述べたいと思います。
初心者が使うべき撮影モードとは
カメラを趣味にしたい、素敵な写真を撮れるようになりたいと、一眼レフやミラーレスカメラを購入された方に質問です。
撮影モードは何を使用していますか?
オートもしくは絞り優先モードを使っている方が多いのではないでしょうか。
その理由はなんでしょうか?

まず最初はオートで撮ってみよう。シャッターを押すだけで綺麗な写真が撮れますよ!

カメラ初心者はまず絞り優先モードを使いこなそう。カメラの基本を学ぶにはまずF値の理解が非常に重要!
こういった感じで、カメラの操作マニュアル、初心者向けのサイトや書籍などで推奨されているからですね。
絞り優先モードについては私自身も最初に覚えたモードで、今でも一番使用頻度が高いです。よって、絞り優先モードを覚えて使いこなすことがカメラの上達に有効であることには異論はありません(当カメラレッスンにおいても、まず最初は絞り優先モードを覚えることを推奨しています)。
絞り優先モードがベスト?
しかしながら…最近ふと思ったことがあります。

本当に絞り優先モード(だけ)でいいのか?
カメラの上達を考えると遠回りになってしまうのではないかと考えるようになりました。
なぜか
まず、オートについては全てカメラ任せにして撮影するため、カメラの基本である露出に関する知識、技術が何も身につきません。これはなんとなく想像できるかと思います。
次に、絞り優先モードについてですが、確かにF値(絞り)を自分でコントロールすることにより、F値についての理解へと繋がります。
しかしながら、これも実はF値以外の設定はオート(カメラ任せ)なのです。
よってF値(絞り)の理解には有効ではありますが、露出全体の理解には不十分であるという一面があるのです。
マニュアルモードの方がいいのでは?
そこで思ったのです。

それならいっそのことマニュアルで撮ればいいのでは?
そうすることで、露出を決定する要素であるF値、シャッタースピード、ISO感度の全てを同時に理解することができるのではないかと。
一般的にそれをしない(推奨しない)理由はなんでしょう。
それは、ちゃんとした写真が撮れないから。
初心者がいきなりマニュアルで撮影するとどうなるか。
真っ白な写真や真っ黒な写真、はたまた被写体がブレてしまった写真などを量産してしまうことでしょう。
せっかく新しいカメラを手に入れたのに、綺麗な写真が撮れないと楽しくないですよね。
しかし、それこそが重要なのではないかと。
沢山失敗しよう
例えば、スキーやスノボを始める場合を考えてみてください。
最初はたくさん転びますよね。転ぶことなしに上達する人はいないと思います。
ひたすら転んで痛い思いをして、次に転ばないようにどうすればよいかを考えて努力する。それを繰り返し実践することで少しずつ上達してくのではないでしょうか。
失敗することが上達の糧になるということ。
まさに
カメラも同じなのではないかと思うのです。
優秀なカメラの機能を使って(に頼って)、苦労することなく簡単にきれいな写真を撮り続けることは、カメラの上達という意味では遠回りになってしまうのではないかと。
反対に、最初からマニュアルで撮影し、失敗を繰り返すことが、間違った露出は何かということを知ること、すなわち正しい露出の理解の手助けとなるのではないかと。
困るということは、次の新しい世界を発見する扉である。
(トーマス・エジソン)
そのようにして、失敗の経験が知識と技術の向上に繋がる、それこそが結果的に上達への一番の近道になるのではないかと思うようになりました。
幸い今はデジタルの時代です。
いくら失敗してもフィルムカメラと違って、現像やプリント代といった懐が痛むということは一切ありません。
そして、スキーやスノボのように痛い思いをすることもありません。
どんどん失敗しましょう。
シャッターを切り、ディスプレイを確認し、設定を変えてまたシャッターを切る。その繰り返しで、露出についての理解が一気に深まることでしょう。
明るさの異なるシチュエーションで
練習としてマニュアル撮影を行う際は、明るさの異なる様々な状況で撮影を行ってみてください。様々な状況
- 屋外、屋内
- 晴れ、曇り、順光、逆光
- 朝、昼、夕方、夜
周囲の明るさが変わることによって、適正な明るさで撮るための、ISO、F値、シャッタースピードが大きく異なることに気が付くことができるでしょう。
露出以外の設定
撮影モードをマニュアルにするということは、ISO、F値、シャッタースピードから成る露出の3項目を手動で設定して撮影することです。
写真を撮る際には、フォーカス(ピント)、ホワイトバランス(色)の設定という大事な要素がありますが、当記事では露出(明るさ)を焦点としています。
プロのフォトグラファーであっても、ピント合わせはオートフォーカスを使用し、ホワイトバランスもオートで撮影を行うことが多いです(ホワイトバランスは後からRAW現像する為)。
よって、フォーカスとホワイトバランスについては、どちらもオートで構いません。まずは露出をマニュアルで設定するということにトライしてみましょう。
気軽に楽しく、時にはストイックに
以上、マニュアルモードで撮ることのメリットを述べてみました。
しかし、常にマニュアルモードで撮るべきというわけではありません。
せっかく手に入れた新しいカメラです。
家族の写真、旅行の写真などを撮る際は、カメラの便利な部分を大いに活用し、楽しく・簡単に綺麗な写真を沢山撮りましょう。
写真を楽しむ時間と写真に向き合う時間を分ける事で、楽しみながら上達を目指すことができるのではないかと思います。
もちろん、常にマニュアルで撮影するといったストイックな方法もアリです。その際の上達のスピードは保証しますが、それなりの苦痛を伴うかもしれません。
終わりに
マニュアルモードで撮影することで、多くの気付きや発見があると思います。ISO、F値、シャッタースピードの3項目をある程度理解し、マニュアルで設定できるようになると、カメラが持つ様々な機能は結局のところ、露出の3項目を決めるための単なる手段・手法であるということを理解できるようになります。
- 絞り優先モード、シャッタースピード優先モード
- 露出補正
- ISO上限設定
- 測光モード
マニュアルモードでの撮影、是非お試しください。
具体的なやり方は別の記事にて説明したいと思います。
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